棚卸差異をゼロにすることは難しいため、減らす方法はあっても確実になくせる方法はありません。
そのため、「許容できるのはどれくらいか」が重要になります。
棚卸差異はマイナスのときだけでなく、プラスの時も大きな問題です。
今回はそんな棚卸差異がプラスの時についてご紹介します。
棚卸差異がプラスのときは?
1.棚卸差益
棚卸差差異が多いとき、すなわち「帳簿上の在庫数と比べて倉庫の在庫数の方が多いとき」の棚卸差異は棚卸差益と呼びます。
帳簿の在庫数と倉庫の在庫数が異なり棚卸差異が出たときは倉庫の在庫数が優先されます。
そのため、倉庫の在庫数が多いときは棚卸差異がプラスの時とみなし、利益の漢字を使う棚卸差益という言葉が使われます。
2.棚卸差益があるとどうなる?
棚卸差益は棚卸差異がマイナスだったときと比べるとユーザー、顧客に対して損害を与えているリスクは低めなものの、自社のコストという面からかなりのリスクになります。
商品によっては販売できなくなるまで劣化することがあるため、実際の在庫が帳簿上の在庫より多いことに気が付かないと過剰在庫になりかねません。
棚卸差益の実例をご紹介!
1.仕入れ時の数が間違っていた
単純にわかりやすいものとして、100個仕入れたつもりだったのに実際に納品された数は102個だった、というケースが考えられます。
たとえば100個入りのダンボールを毎月ひとつずつ仕入れていたとすれば、年間で1200個です。
大きな差が生じることになります。
2.既に売れているけれど商品が残っている場合
よくあるのが「取り置き」を始めとした、商品を出荷していないけれど売上が発生している状況です。
まずお客さまから取り置きを頼まれた時点で売上が発生し、帳簿の在庫数は変化します。
しかし取り置きですから当然その時点での実際の在庫は減っていません。
この状態で客さまが引き取りに来るより先に棚卸が実施された場合、売れた数が在庫に含まれてしまうため棚卸差益が発生します。
しかしこの場合、お客さまが取りに来たときに売り上げは出ていないのに在庫数が減っている棚卸差損が発生するため長い目で見れば帳尻は合いますし、間違いではありません。
まとめ
棚卸差異といってもプラスというとなんだか得のような印象を受けてしまいますが、プラスもマイナスも関係なく、棚卸差異はないことが一番です。
しかしシステム的に出てしまうものやけ自社のミスではない棚卸差異もあるため、あるから良くないと一概に否定するのではなく、なぜ出てしまったのかに目を向けましょう。
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