棚卸差異があったとき、会計処理はどうする?

棚卸のときにはやることも膨大にあり、そういった職務に付いていない人にはわからないような単語も内容もたくさんありますが、そのうちの一つが棚卸差異のときの会計処理です。
棚卸差異は基本的に毎回発生するものですから、あまり気負わずに確認していきましょう。

棚卸のときの会計処理について

まず棚卸のときにはどんな会計処理が行われるのか解説します。

1.期末棚卸資産の金額を集計する
商品有高帳を始めとした書類から決算日の期末棚卸資産がどれぐらいあるかを集計します。
個別法、先入先出法など棚卸資産の評価方法からいずれかを使って算出した金額が取得価額とみなされ、期末の帳簿価額となります。

2.実地棚卸を減耗損を計算する
棚卸においては帳簿上だけでなく実際の在庫数も改めて数えなければなりません。
この実際の在庫数を数えることを棚卸と呼びます。

この実地棚卸と帳簿上の数量にズレがあった場合には減耗損を把握し、帳簿の期末棚卸資産を実際の在庫と同じ数になるよう調節する必要があります。

3.期末棚卸資産の単価を評価する
1の評価方法から個別法、先入先出方などで計算した単価とする方法の原価法と、原価法の単価と期末時点の時価の低い方を単価とする低価法の2種類があります。

4.売上原価を算出する
売上原価は期首棚卸資産の棚卸高、当期の期中仕入高、減耗損、評価損の和から期末棚卸資産の棚卸高を引くことで求められます。

棚卸差異があったときの修正方法

棚卸差異が発生した場合、例外なく数字のズレは実際の在庫数に合うように計算します。
数え間違いや仕入れの際の数が違っていた、など帳簿上の数字が間違う可能性はあります。

では帳簿の数字に合うようにどう計算するのか、見ていきましょう。

棚卸減耗費として処理する

数量が不足していたときに使われます。
実務的な話になると、足りなかった分を期末棚卸高から決算整理仕訳で控除します。

特別損失として処理する

基本的には棚卸減耗費になりますが、たとえば店舗や倉庫が災害によって商品が使えなくなってしまった場合や盗難の被害にあった場合は特別損失として認識されます。

まとめ

棚卸の会計手続きは煩雑で一般的には分かりにくいものです。
棚卸差異は出るものとして考えることで気が楽になります。
また、気負いすぎずプロに任せることも前向きにご検討ください。

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