製造業で在庫管理する方にとって、「在庫が増えると利益が増える」という言葉は聞いたことがある方が多いのではないでしょうか。
しかし、その理論を説明するとなると話は別という方も多いでしょう。
そこで今回は計算式から解説します。
「在庫が増えると利益が増える」ってどうして?計算式から考える
「在庫が増える利益が増える」は本当?
そもそも「在庫が増えると利益が増える」という言葉に懐疑的な方も少なくはないでしょう。
結論からいえば、これは事実です。
このからくりは売上原価から導き出せます。
売上原価の導き出し方
売上原価とは商品の生産や仕入れにかかる費用のことで、売上原価を売上高から引くことで利益が導けます。
この利益を売上総利益と呼びます。
売上原価は期首棚卸高と仕入費用等を足し、そこから期末棚卸高を引くことで求められます。
まず期首棚卸高は月や年度といった区切りの最初の在庫高です。
期末棚卸高とは文字の通り、月や年度といった区切りの最終日に残っている在庫額を示します。
製造業で在庫が増えると利益が増える実例
製造業においては在庫を増やすために生産量を増やします。
通常ではありえないことですが今回は分かりやすいように生産量以外の費用は全く同じと仮定して、どうなるかを考えていきましょう。
前提として、1個あたりの売上高は100円、変動費は30円があるとします。
1.50個作って50個売ったとき
100円を50個売ったため売上高は5000円です。
同じように変動費が1500円、限界利益が3500円になり固定費として1000円です。
利益が2500円になりました。
2.100個作って50個売ったとき
1と同じように考えて、売上高は5000円です。
同じように変動費が1500円、限界利益が3500円になり固定費として500円です。
利益が3000円になりました。
3.ふたつの違いについて
「なんで固定費が違うの?」と思ったことでしょう。
損益計算上において、生産のための固定費は生産量で割った数で算出します。
そうなると当然2倍の数を作った方が固定費は半分になり、コストが抑えられ利益が増えるのです。
まとめ
商売においては書類上と体感、実際には全く異なる結果が出ることもしばしばあるものです。
この「利益」というのもいくつか考え方があるので、ご自身の納得のいく方法を採用するのも良いかもしれません。
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