決算前に必要な作業である棚卸についてきちんと把握できていない方は多いのではないでしょうか。
棚卸高は会社の利益に関わる大切な要素の1つです。
そこで今回は、期末棚卸高とは何か、そして、マイナス在庫が発生する原因について解説します。
在庫について正しく理解するために、この記事を参考にしてみてください。
期末棚卸高とは何?
期末棚卸高とは、決算当期に売れ残った商品の数量に単価をかけて算出した金額のことを言います。
決算書をつくる際は、期末棚卸高は損益計算書に記載する項目の1つであり、売上原価を算出するときに使用されます。
また、貸借対照表においては、流動資産という部分における「商品」という項目に相当します。
ここで注意しておきたいことが1つあります。
それは、損益計算書をつくる場合には売上原価の部分に期末棚卸高を記載するものの、実際は売れていないため売上原価から引くということです。
売上原価の項目において、マイナスとして計上することを理解しておきましょう。
マイナス在庫が発生する原因とは?
計算上の在庫数が0より少なくなることを、マイナス在庫と言います。
実際の在庫の量が0より少なくなることはありませんが、理論在庫という帳簿に記載する在庫としては計算上0より少なくなる場合があります。
マイナス在庫が発生する原因は大きく分けて2つあります。
1つ目は、前期末の在庫量が正しくなかったことです。
理論在庫は、前期末の在庫量に供給量を足して、そこから使用量を引いて計算します。
そのため、前期末の在庫量が間違っていた場合はマイナス在庫が発生する可能性があります。
管理者のミスや発注ミスなどで前期末の在庫量が正しくなかった場合は、当期の理論在庫と実際の在庫は一致しません。
2つ目は、引当です。
引当とは、今後消費する予定のものをあらかじめ計上しておくことを言います。
これは今後の予定を示しているため、現物としては倉庫に商品が存在することになります。
しかし、緊急の事態によりその予定前に多くの商品が出庫された場合は、予定していた商品の量に支障が出てしまいます。
その結果、計算上の在庫がマイナスになってしまうのです。
まとめ
今回は、期末棚卸高がマイナスになる原因について解説しました。
期末棚卸高が0より少なくなる理由を理解することで、在庫管理にミスが生じることを未然に防げるでしょう。
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